生地プリントのアレコレ ~黒地生地へのプリント~

生地プリントについて、日頃からお客様に色々なお問い合わせをいただくベビーロック・プリンティングが、生地プリントのアレコレについて解説します。


【問い合わせケース1:黒地の生地へのプリント】

Q. 黒地の生地への、オリジナルデザインのプリントは可能ですか?

 

A. 黒地の生地へのプリントはできませんが、デザインの背景を黒にしていただくことで、白地の生地を黒地に見せることは可能です。

 

=回答の解説=

黒地の生地にプリントできるの? できないの? というお問い合わせですが、上記の回答をきちんとご理解いただくためには、ベビーロック・プリンティングのサービスについて何点か知っていただく必要があります。

 

布地からアパレルや雑貨を作るクリエイターさん等には必須の知識も解説しますので、是非ご覧ください。

 

★ポイント

■ベビーロック・プリンティングのプリント方法は、インクジェットプリンターで染料(インク)を吹き付けて生地を“染める”プリントです。

このプリント方法を“染料ダイレクトプリント”といいます。

■『黒地の生地』というのは、すでに黒の染料で染めてある生地ということです。

 

このポイントを総合すると……

『黒地にプリントするということは、黒色のインクですでに染めてある生地を、さらに他の色のインクで染める』ということになります。

絵の具だとわかりやすいですが、黒は他の色と混ざるとほとんど黒に染めてしまいますよね。

 

これは、染料ダイレクトプリントの弱点なのですが、

あらかじめ染まっている生地にプリントしようとしても、色が混ざって思い通りの仕上がりにならないことがあるのです。

 

★結論

ベビーロック・プリンティングの染料ダイレクトプリントでは、黒地の生地にプリントはできません。

 

 

 

さて、一応結論は出ました。

「とにかく黒地にプリントできるかどうか知りたいだけ!」という方は、以下は読まなくても大丈夫です。

 

 

しかし、ここで別の疑問が湧きます。

 

 

★疑問

【疑問1】
『黒で染めてある生地が混ざるのだから、他の色で染めてある生地も混ざっちゃうんじゃないの?』

そして、

【疑問2】
『じゃあ白地のプリント布しか作れないの?』という疑問。

 

当然の疑問です。

クリエイターさんなら、「黒地の生地にプリントはできない」という結論だけみて、製作を諦めないですよね。

 

以下に、疑問への答えや、生地プリントをより深く知るために大事なことなどを解説していきます。

 

 

【疑問1】については、その通りです。

黒に限らず赤でも青でも、染色済みの生地に染料ダイレクトプリントでプリントしようとすると、色が混ざり合ってしまいます。

 

【疑問2】については、もちろんそんなことはありません

デザインを背景色ごと作ってしまえば、白地以外のプリント生地も作成可能です。

 

以下では、その方法について解説します。

 

 

=染色生地へのプリントに代わる方法は、背景もデザインしてプリントすること=

 

黒地に白い文字をプリントすることはできませんが、白地に、黒地の白抜きの文字をデザインしたデータをプリントすることは可能です。

 

これは、当たり前のようにも感じますが、いろいろ注意点があります。

 

★注意点

【注意1】インクジェットプリントに、白インクがありません。

【注意2】背景を黒やその他の色でデザインをした場合、生地の種類によって、非常に繊細な線は表現されない恐れがあります。

 

まず、【注意1】ですが、紙のプリンターでもそうなのですが、(一部の特殊な機種を除いて)白インクはありません。

ですので、真っ白のインクで生地をプリントすることはできません。

白に近い色を設定してプリントするか、白の部分は空白にして、プリントする生地の元の色を出すか、という選択になります。

プリントする生地の色を出す場合は、生地によって色味が異なるので、どんな生地にプリントするのが適切かを考える必要があります。

いわゆる真っ白な色を出したい場合に、生地が帆布などの生成りっぽい生地だとイメージと違ってしまいます。

 

そして、【注意2】。

正直、どんなデザインでもあまりに細い線は潰れたりかすれたりする心配があります。

【注意1】で言ったような、白い部分を空白にして線が残るように周りを塗りつぶしてプリントする場合は、滲みの影響を考える必要が出てきます。

プリントする色や生地種によって変わってくるのですが、例えば0.2pt(※約0.07㎜)の線だと、ほとんど滲んで潰れてしまうことがおおいです。

(※下図のように、潰れる線の太さは生地種やプリントする色の濃さによって異なります)

 

ポリタフタなら0.3ptの線はギリギリ見えるが……

 

ポリサテンではほとんど線が消えてしまう。

 

インクジェットでも種類によっては染色済み生地をプリントできる

 

染色済みの生地にもプリントする方法はもちろんあります。

顔料プリントという方法なら、先に生地を染めてあるインクと後にプリントするインクが混じりません。

 

顔料プリントは、繊維に対してインクを乗っけて接着剤でくっつけるイメージになりますので、先に生地を染めている染料と混ざらないのです。

同じインクジェットプリントでも、生地を染める“染料ダイレクトプリント”とはだいぶ方法が異なるんですね。

 

 

 

★プリント方法は種類によって一長一短あります

じゃあ顔料プリントの方が便利で良いか、というと、どちらの方法にも一長一短があります。

顔料は生地にインクを乗っける方法なので比較的プリントの自由度が高いのですが、その分落ちやすいのも特徴で、洗濯の水などでも数回で色落ちしてしまうという短所があります。

 

それに対して、染料ダイレクトプリントは洗濯に対する堅牢度が非常に高く、長持ちしやすいのです。

プリント後に、蒸してから洗いをかけるなどの工程があるため、色が落ちにくくなっています。

ダイレクトプリントでは、生地を大型の蒸し器に入れ、蒸気でインクを定着させます。

 

 

用途によって、プリント方法の選び方は変わります

今回は、黒地の生地にプリントできるか否かというお問い合わせを元に、解説しました。

インクジェットプリンターと一口に言っても、搭載できるインクの種類などにさまざまな種類があって、思い通りの生地を制作したい方は特性や使い分けを知っておくことで製作の幅が広がりそうですね。

 

次回も、生地プリントに関するアレコレを発信していきたいと思います。


2019-02-08 | Posted in Blog, What's New !No Comments » 

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