みなさんは、ロックミシンの大きな特徴のひとつでもある「差動」についてご存じでしょうか?
ロックミシン基礎講習でお客様にお話を伺うと、「ほとんど触ったことがない」「なんとなく使っているだけ」「触ったら元に戻せなくなりそうでこわい」といったお声をよく耳にします。
そこで今回は、そんな“差動”にスポットをあてて、わかりやすくご紹介していきます!
どんなことができるの?
差動とは、生地を縮めたり伸ばしながら縫える機能です。
赤い文字の N を基準に、上にレバーを上げると「縮み縫い」、下にレバーを下げると「伸ばし縫い」になります。
◎縮み縫い
ロックミシンが得意とするニット生地の中には、通常の設定(差動N)で縫うと伸びてしまうものがあります。このようなときに 差動レバーを上げる と、生地を縮めながら縫ってくれるのでキレイな縫い目になります。
上:差動 N 下:差動 1.3 で縫ったとき。
◎伸ばし縫い
ジョーゼットやリネン、裏地などはニットとは逆で縮んでしまうものがあります。こうした生地は 差動レバーを下げる と、伸ばしながら縫ってくれるのでキレイな縫い目になります。
上:差動 N 下:差動 0.8 で縫ったとき。
機構的な差動の動き
①差動を使用すると、前後の送り歯の動き方が変わる
差動の数字は「倍率」を示していますが、これは前後の送り歯の動きの比率を表しています。そのため、「差動 2=生地が 2倍縮む」という意味ではありません。
言葉だけでは少しイメージしづらいかもしれませんが、下記の動画で差動の仕組みをわかりやすくご覧いただけます🙆♀️
②素材によって縮み方が違う
リネンやウール、コットンなど生地の固さや厚みでも差動の縮み方は変わります。
バルキー押え使用 差動 2 かがり幅:7.5 送り目:4
上:コットン 中:リネン 下:ウール
③送り目の違いでも縮み量が変わる
同じ素材でも送り目が違うと縮み量が変わります。
上:送り目 2 下:送り目 4 で縫ったとき。
その他にも人によって生地の持ち方やクセが違うので同じ条件で同じように縫っても変わることもあります。
差動と押え金の組み合わせで縮み縫いの効果が高まる
縮み縫いを応用して、ロックミシンでギャザーを寄せることができるんです!
送り歯の動きで生地を縮め、ギャザーを寄せます。押え金によってもギャザー量が変わるので詳しくは過去の記事をチェックしてみてください。
標準押えとバルキー押えの使い分け方
差動は使い方を理解するととても便利な機能なので、みなさん是非使ってくださいね!