ロックミシンってどんなミシン?
ミシンには、大きく分けて「家庭用ミシン」「職業用ミシン」「工業用ミシン」の3種類があります。
家庭用ミシンは、初心者から上級者まで幅広く使われるミシンで、直線縫いやジグザグ縫いなど、基本的な縫い目が縫えるミシンです。
職業用ミシンは、よりパワーがあり直線縫いに特化したシンプルな構造のミシン。プロの現場や本格的なソーイング・レザークラフトを楽しみたい方に適しています。
工業用ミシンは、工場などの大量生産向けに作られたミシンで、一つの工程に特化した高速・高精度な縫製が可能です。
そしてロックミシンは、布の端を美しく処理し、伸縮素材の縫製にも適した、家庭用・職業用ミシンを補完するミシン。かがり縫いや伸縮素材の縫い合わせが得意で、Tシャツやカットソーなど、既製品のような仕上がりを実現できます。
ロックミシンだけでつくれる洋服もありますが、家庭用ミシンや職業用ミシンと組み合わせることで、さらにソーイングの幅が広がります。
ロックミシンでできること
1. かがり縫い
裁断された生地は、端がほつれてくるため、必ず裁ち目の始末が必要です。
ロックミシンは、メスを使って布端をカットしながら糸でくるむように始末をしていきます。
ロックミシンを使えば、とてもスピーディーできれいに生地のほつれを防ぐことができます。
4本糸オーバーロック
3本糸オーバーロック
2本糸オーバーロック
2. ニットの縫い合わせ
3. 巻きロック
巻きロックは、ジョーゼットやオーガンジーのような薄地の縁かがりや縫い合わせに使用され、1.5mm ほどの細い幅で始末する縫い方です。ガーゼのハンカチやコサージュのフリルなど、飾り縫いとしても使われます。
POINT
上ルーパー糸にウーリー糸を使用すると縫い目が強調されます。
4. ウェーブロック
縫い目が波模様になります。ラメ糸やウーリー糸などさまざまな糸を使い、飾り縫いとして使われます。ベビーロックの一部機種だけが縫える縫い目です。
子供服や小物などに取り入れると可愛いポイントに。また、同色の色で縫うと上品な仕上がりになり、さりげないアクセントにも。
ロックミシンの選び方
ロックミシンはいろいろなメーカーから発売されています。
一見、どのロックミシンも似たような形をしていますが、よく見ると「1本針3本糸」や「2本針4本糸」など、ロックミシンにもいろいろな種類があることがわかります。
ロックミシンを購入するときは、まず、何をしたいかを考えてロックミシンの種類を選ぶことが大切です。
1.布端の「かがり縫い」だけ縫いたい
「1本針3本糸」のロックミシンで十分です。布帛で洋服やバッグなどを作るときに、縫い合わせは家庭用ミシンで、布端の「かがり縫い」だけロックミシンを使いたい方にはこちらをおすすめ。
※布帛とは、糸を縦横に組み合わせた織物で伸び縮みしにくい特徴があります。
2.糸調子の調整をしないですぐ縫い始めたい
経験やコツが必要な糸調子合わせを、自動でできるロックミシンがあります。
薄地から厚地まで生地を変えても、使用する糸の太さを変えても、調整なしでキレイに仕上がるのが自動糸調子機能です。すぐに縫い始めたい方、色んな生地でたくさん縫いたい方にはこちらをおすすめ。
3.ニット素材でソーイングを楽しみたい
もっと本格的にニット素材でソーイングを楽しみたい方は、「2本針4本糸」のロックミシンがあると便利です。
「1本針3本糸」でも、ニットを縫い合わせることができますが、厚地を縫い合わせるときや生地の伸び縮みが激しい箇所を縫う時に、少し強度が足りない場合もあります。そのため、ほとんどのニット製品は「2本針4本糸」のロックミシンで縫い合わされています。
また、針を1本外すことで1本針3本糸に設定することも可能。幅広い生地でソーイングを楽しみたい方は2本針4本糸タイプをおすすめ。
4.ウェーブロックが縫いたい
ベビーロックだけの「ウェーブロック」という縫い目が縫える機種があります。
ほかのミシンでは縫えないものなので、より個性的でオリジナルな作品づくりにおすすめ。